聖路加国際大学の中山和弘先生より,ご著書「意思決定支援とディシジョンエイド」をご恵贈いただきました.
「結果は選べない.でも選択は選べる」.
本書の冒頭に記された中山先生のこの言葉に,まず深く心を打たれました.
私たちはどうしても「良い結果」ばかりを追い求めてしまいますが,不確実な未来において唯一コントロールできるのは,その瞬間の「納得のいく選択」だけなのだと気づかされます.
本書の核となる「お・ち・た・か」のフレームワークは,シェアードディシジョンメイキング(SDM)を医療の専門家だけでなく,誰もが実践できる形へと整えられています
特に印象的だったのは,情報の提示がいかに偏りやすいかという「読み解き」の重要性と,ナラティブの持つ強大な力と危険性についての指摘です.
物語は人を動かす力を持っていますが,時にそれが偏った判断を招く恐れもある.そのバランスを説く解説は,まさに「腹落ち」の連続であり,支援者としての在り方を根底から揺さぶる珠玉の知恵が詰まっていました.
私自身が大切にしているOOVL(Options,Outcomes,Values,Likelihood)の考え方とも見事にリンクしており,選択肢・結果・価値観・確からしさを整理していくプロセスが,この本を通じてより鮮明に言語化された感覚があります.
「正解」のない時代に,自分らしく,あるいは相手に寄り添って道を選び取るための必読書です.